千とせべっかんは大阪の笑いの殿堂であるなんばグランド花月1階にある「肉吸い」で有名な店で、肉うどんは甘さ控えめの和風出汁にあっさりした麺が絡んですっきりとした味わいでした。
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大阪うどんの新たな動き
大阪といえば「粉もん」の本場とされています。「粉もん」という言葉が登場したのは1980年ごろとされており、吉本興業の人気芸人がテレビで使用したことがきっかけと言います。ここでいう「粉」は小麦粉のことで、大阪名物のたこ焼きやお好み焼き以外にうどんやラーメンもカウントして特に問題はないようです。
うどんは「粉もん」という言葉が登場するよりはるか以前から大阪の人々に愛されており、一説によると豊臣秀吉による大阪城築城にまで遡ると言われています。
柔らかくモッチリとした麺を香りが良く薄味で旨味たっぷりのだしで食べるのが大阪のうどんの特徴で、その中でも甘辛く煮た油揚げをのせた「きつねうどん」が絶対的な定番メニューだと私は思っていました。
しかし最近になって新たな動きが出てきたようです。
「うどんを抜いていない肉うどん」が食べたい
大阪千日前に位置する「千とせ」は1949年創業のうどん店で、なんばグランド花月の近くにあることから吉本興業の芸人たちに愛されてきました。もともと肉うどんが美味しい店として有名だったといいますが、二日酔いで食欲のなかった芸人が「肉うどん。うどん抜きで。」と注文したことがきっかけで誕生したという「肉吸い」が今や店の垣根を超える存在となり、大阪中の飲食店で提供されるようなメニューとなっているといいます。今や大阪のうどんはきつねうどんだけではないのです。
「肉吸い」の評判は私もあちこちで耳にしており、そんなに美味いのなら是非うどんを抜く前の肉うどんを食べてみたいものだと以前から思っていました。そこで一泊二日の京都旅行の宿をあえて大阪駅前で取り、実際に食べてみることにします。
肉吸い発祥の地である千とせ本店は営業時間が14時までで到底行けそうになく、2012年になんばグランド花月内にオープンした「千とせべっかん」に行くことにしました。三代目が店主を務める本店に対し、こちらは四代目が伝統の味を守っています。
印象的な関西のうどん
客の大半が肉吸いを食べていた
さすが大阪の笑いの殿堂だけあり、なんばグランド花月はそこらへんの劇場とはスケールが全然違っていました。
千とせべっかんは南側の入り口を入ってすぐの場所にあります。
初日の京都観光が想定していた以上にスイスイ進んだために難波にもスムーズに到着し、夕食の時間としては早かったので行列は全くありませんでした。
やはり肉吸いが看板メニューで、肉うどんはそれに準ずる存在のようです。カウンター席とテーブル席の合計で28席ある店内はこの時間帯だと4割程度埋まっており、確かに大半の客が肉吸いと御飯のセットを食べていました。
甘さ控えめで驚くほどすっきりとした味
こちらが千とせべっかんの肉うどんです。真っ白な麺と金色に輝く澄んだ出汁、その上に牛肉と刻んだ青ネギがのせられています。見た目だけなら沖縄そばに近いものを感じました。
和風の出汁は鰹の風味が強く、甘さはほとんどありません。
麺はやや細目で若干丸みを帯びていました。同じ関西のうどんでありながら、ギンギンにエッジが効いていた京都の山元麺蔵の麺とは大違いです。ふっくらとしていて舌で潰せるほど柔らかな麺はあっさりとした風味で、甘さ控えめの和風出汁と絡んで驚くほどすっきりとした味に仕上がっていました。
太くて柔らかい麺と甘い和風出汁という組み合わせという事前の予想と全く違う味で、大いに面喰ったというのが正直な感想です。きつねうどんの名店として知られる「今井」は道頓堀の本店と新大阪駅構内の店では全く味が違いましたが、千とせの場合は本店がどのような味なのか気になりました。
千とせべっかんについて
主なメニュー
肉吸い 800円
小玉 220円
肉うどん 800円
かすうどん 750円
きつねうどん 750円
地図
店舗概要
営業時間 11:00~19:00
定休日 無休
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