出雲そばの羽根屋本店は江戸時代に創業した老舗のそば屋であり、出雲大社をお参りした後に昼食をとる場所としてうってつけの立地です。名物の「献上そば」はそば自体にしっかりと味があり、コシもあってのど越しも楽しめます。
「献上そば」で有名な羽根屋
江戸時代末期に創業した羽根屋は約150年の歴史を持つ老舗のそば屋で、明治40年に山陰地方を訪れた皇太子時代の大正天皇にそばを出したことが知られています。
その後も昭和天皇を始めとする皇族に度々そばを出したことから「献上そば」として有名になっています。
出雲市駅から徒歩7分くらいの場所に位置していますが、駅前の繁華街から少し離れた住宅街の中にあり、また観光の中心である出雲大社は全く違う場所にあるため、立地としては決して恵まれてはいません。
出雲そばとは
出雲そばは島根県の出雲地方で食べられるそばで、岩手のわんこそば、長野の戸隠そばと並んで日本三大そばの一つとされています。
もともと出雲では寺社をお参りした後に門前のそば屋に入るのが庶民の楽しみであり、全国から神様が出雲に集結する「神在月」には神社の周辺に屋台のそば屋が立ち並んだといいます。
出雲松江藩七代藩主の松平治郷は地元で文化人として親しまれていましたが、お忍びで屋台を訪れるほどのそば好きであり、「高貴な人は食べない」と評されていたそばの地位を向上させました。
食べ方としては割子そばと釜揚げそばの二通りです。
割子そば
茹でてから冷水で締めたそばを割子と呼ばれる丸い漆器に盛って出します。3段が一般的なようですが、足りなければ博多ラーメンの替え玉のように1段2段と追加することが出来ます。
釜揚げそば
出雲そばのもう一つの食べ方で、釜から直接あげたそばに、だしをかけて食べます。茹でた麺を冷水で締めないこの食べ方はうどんでは超定番の食べ方であり、モチモチした食感を楽しめますが、そばを釜揚げで食べているのは恐らく出雲だけではないかと思います。
出雲で昼食をとるならココ
そば自体にしっかりと味がありコシとのど越しも楽しめる
天ぷら割子3段を注文しました。天ぷらの隣の茶碗にはそば湯が入っています。
通常ではそばをつゆに浸してから食べますが、出雲そばの場合は割子のそばに薬味をかけ、そこにつゆを注いで食べます。
1段食べ終わり、余ったつゆは次の段に注ぎます。
最後まで残ったつゆはそば湯の茶碗に注いで飲みます。そば自体にしっかりと味があり、コシもあってのど越しも楽しめます。結局もう一段追加注文しました。
「門前のそば屋にロクな店はない」
善光寺や高尾山などそばが名物となっている寺院や神社は数多くあり、そういった場所ではそば屋が門前に立ち並んでいます。しかし黙っていても客が大勢やってくるような「門前のそば屋にロクな店は無い」というのが私のこれまでの印象です。(深大寺と戸隠神社は除く)
羽根屋本店は出雲観光の中心である出雲大社から車で15分くらいで、出雲市駅前の繁華街からも外れた場所にあります。そういう立地であっても約150年続いてきたのは常に美味しいそばを提供し続けてきたからということに尽きるでしょう。(出雲大社前の食べログ3.66の店は全く大したことなかった。)
羽根屋本店
営業時間
11:00~15:00
17:00~19:30
定休日 元旦
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