宮きしめん神宮店は熱田神宮の境内に店を構える名古屋きしめんを代表する店で、餅のような麺とカツオやムロ節などからとっただしの組み合わせは関東風の雑煮のようでした。
愛知県民のソウルフード
きしめんは名古屋を中心に愛知県内全域で広く食べられている麺料理で、小麦粉と塩と水を使用して生地を作るのはうどんと同じですが、こちらは薄く幅広く延ばしています。現在の刈谷市の名物だった平打ちうどんや現在の知立市で食べられていた雉の肉を入れた雉麺(きじめん)等々、起源については諸説あって定まっていないようです。
愛知県民のソウルフードとまで呼ばれており、麺が平たいことで茹で時間が短くなり、麺に味がよくなじむことが堅実な名古屋人の性格に合っていたと言われています。
茹でた麺にムロ節からとった出汁の効いたつゆをかけ、油揚げや鶏肉などの具やネギ、削り節をかけるのが一般的な食べ方です。ムロ節はムロアジを原料とした節で、カツオなどよりも独特のクセのある濃い出汁がとれるのが特徴とされています。
熱田神宮から「宮」の字を許された店
1923年に創業した宮きしめんは熱田神宮の宮司より「宮」の字を許されたという歴史のある店で、今や名古屋のきしめん業界を代表する存在と言われています。愛知県内を中心に8店舗を構え、その中でも特に神宮店は熱田神宮の境内のど真ん中にある店として知られています。
創業時より上質な原材料を使って独自の味を守り続けている店で、うどん用の特等粉と軟水を使用して麺を打ち、茹で挙げた後に瞬時に冷凍させることで釜揚げ状態の美味しさを閉じ込めています。
カツオやムロ節などからとっただしと本醸造しょうゆを使用した「醤油つゆ」、白しょうゆをベースに薄口醤油を使用した「おすましつゆ」の2通りの味を楽しむことができます。
名古屋のうどん
関東風雑煮のような味わいだった
宮きしめん神宮店は熱田神宮の中心部、「剣の宝庫 草薙館」に隣接した場所にあります。(案内図で「現在地」の赤マークが付いています。)参道からは一歩奥まった場所にあるため、過去2回お参りした際には全く気付きませんでした。
神宮の森の緑に囲まれた清々しい雰囲気の店舗です。
杜の中の店舗特有の注意点というものがあるようです。
定番メニューと思われる宮きしめんで、恐らく冷凍麺を使用していると思われます。麺はふわふわとしていて食感としては完全に餅で、ほぼそのまま呑み込めます。その一方でコシもしっかりとあり、のど越しの良さも楽しめました。
ムロ節というものがわからない私にとって、きしめんの醤油つゆはカツオ節と昆布からとった合わせだしのように感じられました。そのため餅のような麺や油揚げ・かまぼこ・ネギ等の具材と合わせると完全に関東風雑煮のような味わいとなりました。
それにしてもこういうふわふわしたうどんを愛する名古屋人が、一方であのカチンカチンな味噌煮込みうどんも好んで食べるのですから何とも不思議でなりません。
名古屋のきしめんは新幹線ホームだけじゃない
熱田神宮をお参りするのはこれで3回目ですが、境内のど真ん中にきしめんの有名店があることに今回初めて気が付きました。名古屋できしめんといえば新幹線ホームの店ばかり取り上げられているように思いますが、熱田神宮も忘れてはいけません。
宮きしめん神宮店について
主なメニュー
宮きしめん 750円
おすましきしめん 800円
とろろきしめん 880円
ざるきしめん 750円
地図
店舗概要
宮きしめん神宮店
営業時間 9:00~16:30
特別営業
22:00~5:00(12月31日)
22:00~3:30(1月4日)
定休日 年中無休
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