今回は登戸の「宗(むね)」をご紹介します。私にとって麺類不毛の地であった登戸にいつの間にかうどんの人気店ができており、先日仕事帰りに立ち寄りました。きしめんに似た平打ち麺や巨大なかしわ天など見どころは多いのですが、澄み切った味わいの出汁の美味さが特に素晴らしかったと思います。
区画整理事業が進行中の登戸
登戸周辺は私が平成9年に不動産業に転身した際に担当エリアとして割り当てられた地域で、それこそ街の隅から隅まで歩き回ったものです。周辺に明治大学や専修大学のキャンパスがある学生の街でありながら、本来ならそういった場所につきもののはずである美味しいラーメン屋というものが全くなかった記憶があります。
当時は小田急線の線路の北側がほとんど迷路のような状態で、車で移動中に街のど真ん中で身動きが取れなくなったようなことも数回ありましたが、久しぶりに訪れてみると区画整理事業のまさに真っ最中でした。
不動段業界に長くいたため区画整理の流れについては知っていましたが、実際に進行中の状態の街を見たのは初めてです。
向ケ丘遊園駅徒歩3分に位置する気合いの入った店
「宗」は小田急線向ヶ丘遊園駅北口から徒歩3分の場所に位置しています。向ケ丘遊園駅は隣の登戸駅から徒歩数分という近さであるため、登戸からも全く問題なく歩くことができます。
店主は讃岐うどんの本場香川で修行を積んだ後店をオープンさせたもので、「昔ながらの本物のうどん」をコンセプトとしています。香川から直送した小麦粉は挽いてから一週間以内のものを使用し、出汁は煮干、昆布を主体として化学調味料等は一切使用せず、その他四種類の節を使用しているということです。
賃貸マンションの1階部分といううどん屋としては珍しい店構えではあるものの、製麺スペースを店頭に設けてうどんを打つ様子を外から見えるようにしており、店主の気合いを感じることができます。
首都圏で食べられる讃岐うどん
澄み切った味わいの出汁が素晴らしかった
店内はカウンターのみの11席で、御夫婦2人だけで切り盛りしているように見受けられます。注文すると奥様がうどんを茹で、出汁を一杯づつ温めて追い鰹をし、その間に御主人が天ぷらを揚げているため、茹でたてのうどんとともにサクサクの天ぷらを楽しむことができます。
かけうどんの大盛とちくわ天で、実際にはこれに加えてかしわ天も注文しています。写真がピンボケになってしまったので今回は載せませんが、大きめの鶏肉の天ぷら2枚が四つ切にされており、見た目のインパクトはかなりのものがありました。通常のあつあつ(熱いうどんに熱い出汁)の他にひやあつ(冷たいうどんに熱い出汁)、ひやひや(冷たいうどんに冷たい出汁)も頼めますが、おとなしくあつあつを注文しました。
讃岐うどんといえばエッジの効いた太麺が一般的ですが、宗のうどんは意外にもきしめんに似た平打ち麺で、モチモチふわふわとした食感です。
讃岐うどん特有のイリコ出汁は個性的である反面でくどさを感じることも多いのですが、宗の出汁は様々な成分が混然一体となって澄み切った味わいで、平打ち麺に乗っかることで味を引き立てられていました。
若干麺が弱く、天ぷらはサクサクしているものの多少油切れの悪さも感じましたが、出汁の美味さがそれら全てをくるんでしまい、総合的には申し分のないものとなっていたように思います。気持ちよく完食できました。
釜玉うどんを食べてみた
後日登戸に立ち寄った際に再度宗を訪れ、今度は釜玉(大盛)を食べてみました。きしめんに似た平打ち麺は冷水で締めていない分だけモチモチ感が増しており、卵・醤油の味が加わることによりうどん自体の味が更に膨らんでいます。しかしかけうどんと比べると若干物足りなさがあり、やはり宗は出汁がすばらしい店なのではないかと思っています。
鶏天はうどんの茹で時間に合わせて揚げ始めるタイミングを調整しており、茹でたてのうどんと揚げたての天ぷらを同時に楽しむことができます。熱々でサクサクの鶏天はまさに美味でした。
宗(むね)
営業時間11:30~15:00 17:00~20:00
定休日 火曜日
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