五島列島福江島の「おっどん亭」は製麺所直営のうどん屋で、古くからの製法を守った五島うどんを食べることができます。やはり五島うどんと言えば地獄炊きが一番適した食べ方のようです。
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製麺所の直営店
中本製麺は長崎県の五島列島を拠点として五島うどんやだしつゆの製造販売を行っている会社で、中通島に本社および海産部・福江島に製麺工場と直営のうどん屋が置かれています。
九州と中国大陸の間にある五島列島はかつて遣唐使船の寄港地であり、東西文化の重要な中継点でした。中国・浙江省永嘉県岩坦地区に伝わる索麺の製法が五島うどんとそっくりであることもあり、五島うどんが日本のうどんの起源であるという説もあるくらいです。
そんな五島で中本製麺が創業したのは1986年10月で、それ以来古くから伝わる「手延べ」の技を伝承しつづけています。

「五島手延うどん おっどん亭」は福江島の製麺工場のすぐ隣にあり、伝統の製法でつくられた五島うどんをその場で食べられる店舗として2017年12月にオープンしました。
製麺工場に隣接したうどん屋
おっどん亭は福江港から内陸方向に車で10分ほど進んだ場所にあります。

ばらもん亭×シンベエの手前の交差点を右折して田園風景の中を進むと前方に看板が見えてきます。

店舗に隣接して製麺工場があります。こちらでは棒状にした生地を2本の箸にかけて引き延ばすことを繰り返し、最後は糸状になるまで細くして乾燥させるところまで見えるはずでした。しかしどうやら職人の方の昼休みと重なってしまったようで、何も見ることができなかったのが残念です。
地元の人が日常的に利用する店のよう
福江島に上陸して以降三件目の五島うどんで、居酒屋のうどん・弁当屋のうどんに続いていよいよ製麺所のうどんです。

福江島を代表する店だけあり、著名人の来店も多いようです。


自販機で食券を購入するとデータが直接厨房に飛ぶので、席に着いて番号を呼ばれるのをひたすら待ちます。

テーブル席が中心の店内は落ち着いた雰囲気です。

地元の人が日常的に利用する食堂という印象であり、観光名所といった感は全くありませんでした。

五島列島の人々の「地獄炊き」への想いがあふれており、これをみると地獄炊きこそ五島うどんを一番美味く味わえる食べ方だということがよくわかります。ここは下五島の福江島であり、「地獄炊きを味わえるうどん店は下五島にはほとんどない」というWikipediaの記述は一体何だったのでしょう。
五島うどんの世界(記事は下に続きます)
製麺所直営店の本格地獄炊き

地獄炊きを注文するとまずカセットコンロ、次いで生卵・アゴ出汁・薬味のセットが運ばれてきます。

親切なことに、正式な食べ方を掲載した資料がテーブルに置かれていました。

こういう資料はよく読まなければいけません。地獄炊きはもう分かったつもりでちらっとしか見なかったため、生卵にだけ薬味を入れていました。(この記事を書いていて気が付いた。)

これぞ五島うどんという光景です。専用のうどんすくい棒は実に良くできており、ツルツルの麺を滑り落とすことなくしっかりとすくいあげます。
麺はフワフワでしたが細いのにしっかりとしたコシもあり、口の中でも弾力を保っています。舌先で押しただけでつぶれてしまうようなことはありませんでした。表面にツルツル感があったのは椿油の効果でしょうか。

五島うどんの経験が浅い私にとってアゴ出汁はさっぱりしすぎていて、常に醤油や麺つゆを少量加えていました。

茹で揚げた麺を鍋から直接すくい、生卵とめんつゆで食べるというのはさぬきうどんでいえば釜たまです。麺が美味くないと成立しない食べ方で、麺の良さを玉子とめんつゆが実に良く引きだしていたと思います。
「五島手延うどん おっどん亭」について
主なメニュー
かけうどん 500円
ごぼう天うどん 750円
肉うどん 880円
地獄炊き 800円
地獄炊きうどん定食 1600円
地図
店舗概要
営業時間 11:00~14:30
定休日 火曜日
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