佐藤養助総本店は稲庭うどんの元祖と言ってもよい店で、「聖地」である秋田県湯沢市稲庭町字稲庭に位置しています。元祖の店で一番人気メニューを食べることで、稲庭うどんの神髄を味わうことができました。
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湯沢市には稲庭うどんの聖地があった
JR東日本のおトクなきっぷ「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」を利用して先日秋田まで日帰りで往復しました。始発の下り秋田新幹線の秋田着が10:24で上りの最終便は秋田発19:10であり、約8時間50分あった現地での滞在時間のほとんどを費やしたのが湯沢市までの往復です。
佐藤養助商店は東京に住む私でもその名を知っており、そんな名門の店の本店が秋田市ではなくてなんでこんな面倒な場所にあるのかと疑問を持ったところから今回の旅は始まりました。湯沢市には「稲庭町稲庭」という地域があり、そここそが稲庭うどんの聖地だったのです。
元祖から受け継いだ秘伝の製法
秋田藩の稲庭村で麺づくりをしていた佐藤市兵衛の技術を初代稲庭吉左衛門が受け継ぎ、改良を加えてうどんづくりの製法を確立させたのが寛文五年(1665年)であり、これが稲庭うどんの起源とされています。
この製法は門外不出・一子相伝で代々の宗家の当主のみに伝えられましたが、これでは何かあった場合にせっかくの製法が断絶してしまいます。そのような事態を防ぐため、万延元年(1860年)に当時の稲庭吉左エ門が自分の四男で分家に養子に出ていた佐藤養助(二代目)に特別に製法を製法を伝授しました。
ここから佐藤養助商店の歴史が始まり、自然環境に恵まれた稲庭で歴代の佐藤養助により秘伝の製法が現在まで受け継がれています。明治になると宮内省から買い上げを受けるようになり、また1897年のパリ万博にも出品しています。
宮内省大膳部からの注文書(上)とそれに対する返事(下)が展示されていました。
1972年(昭和47年)に七代目の佐藤養助が秘伝の製法を公開し、ここで初めて稲庭うどんが家業から産業に変わることになります。
1986年に稲庭うどん処「佐藤養助本店」を稲庭に開店。1993年に秋田店、2006年には銀座店、2011年に日比谷店、2018年に浅草店を開店しました。
現在の当主は八代目佐藤養助で国内に13店舗、海外に3店舗を構えるまでになっています。
そこまでの規模の店になっても拠点は秋田県湯沢市稲庭町稲庭から移していません。
※ちなみに宗家の方は現在十六代目の稲庭吉左エ門が頑なに一人による手作業を守り通しているといいます。地元の人でも手に入らない幻のうどんとなっており、注文しても2~3年待ちなのだそうです。
本場で堪能した稲庭うどん
佐藤養助総本店までのアクセス
佐藤養助総本店は自然豊かな田園風景の中を抜ける国道398号線沿いに位置しています。
公共交通機関を利用する場合は奥羽本線湯沢駅からバス便が出ています。
羽後交通路線バス小安線で乗車時間は約25分です。
「稲庭中町」バス停で下車すると店は目の前です。
この他に奥羽本線十文字駅からの便もあります。
稲庭うどんの神髄を体験した
さすが日本三大うどんの一つ稲庭うどんの元祖となった店だけあり、佐藤養助総本店は堂々たる造りでした。手前向かって右側が食事処、左側が売店、奥の屋根が高くなっている場所が工場及び実演見学コースです。
平日の14時過ぎだったので、私の他に客はもう一組だけでした。
温かい麺と冷たい麺の両方ともメニューが充実しています。
かなり迷いましたが、結局一番人気だという二味せいろを注文しました。稲庭うどんの王道である冷たいうどんを醤油つゆと胡麻味噌つゆの二通りの食べ方で楽しむことができます。
もはやそうめんと言ってもよい極細麺ですが、ツルツルシコシコしていて「これぞコシ」とでもいうような弾力でした。
かつお節と昆布の出汁が効いた醤油つゆはうどんのうま味を最大限引き出しており、ワサビが実によく合っていたと思います。胡麻味噌にクルミを合わせた胡麻味噌つゆは麺の甘さを引き出していました。
稲庭うどんに対して持っていたイメージをさらに深堀りしたような味だったというのが全体的な印象です。佐藤養助商店は東京にも店があることは知っていましたが、本場で食べないとその真価はわからないとずっと思っていました。単に気分てみなものに過ぎないのかもしれませんが、現地に来てみて稲庭うどんの神髄を体験できたように思います。
工場見学も可能
店の奥は稲庭うどんの実演見学コースとなっていました。
写真撮影OKなので堂々と撮影しましょう。
生地をこねる際に体重をかけて踏み込むのはどこのうどんも共通のようです。
延ばしたうどんを乾燥させています。
所定の長さに裁断したうどんを箱詰めしているようです。
佐藤養助当本店について
主なメニュー
二味せいろ 1000円
二味天せいろ 1800円
かけうどん 850円
天ぷらうどん 1700円
味くらべ 1200円 (温と冷を同時に味わえる)
地図
店舗概要
営業時間11:00~17:00
定休日 年末年始
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