「本格手打蕎麦 出雲 砂屋」は出雲大社の鳥居のすぐ前と言ってよい場所に位置する出雲そばの名店で、十割そばを特徴としています。割子そばは滑らかな口当たりでコシと歯ごたえもあり、質も量も素晴らしいものがありました。
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「日本三大そば」の一つ出雲そば
出雲そばは島根県で食べられている郷土料理で、盛岡のわんこそば・長野の戸隠そばと並んで日本三大そばの一つとされるまでの存在です。
松本城主だった松平直政が松江藩初代藩主として島根に入った際、松本からそば職人を伴っていたことからこの地にそばが伝わったとされています。そばは寒さに強く痩せ地でも栽培できる上、種をまいてから短期間で収穫することができることから、中国山地の麓に面した奥出雲地方ではそばが盛んにつくられていました。
当時そばは料理としてそれほど評価されていなかったようで、「高貴な人はそばを食べない」とまで言われていました。しかし松江藩第7代藩主の松平治郷が大変なそば好きで、お忍びで屋台のそばを食べに行ったり茶懐石にそばを取り入れたりするほどだったことからそばの地位が向上します。
このようにして出雲は日本を代表するそば処となったのです。
出雲大社の鳥居のほぼ真ん前
せっかく出雲まで行くのですから本場の味を堪能したいものですが、一方で出雲そばは店のレベルに恐ろしいくらいの差があるとも感じていました。今回は出雲で一泊しかしないので店選びで失敗は許されません。慎重に情報を吟味して選んだのが「本格手打蕎麦 出雲 砂屋」です。
砂屋は出雲大社の参道沿いで勢溜の大鳥居のほぼ真ん前という恵まれた場所に位置しています。
東京で出雲そばの店を出していた店主が出雲に戻り、2013年にオープンさせた店です。
ちなみに砂屋の隣は「御朱印帳専門店」となっています。専門店を謳っているだけに品数は豊富でしたが、全てセロハンで包装されていて紙質が分からなかったので買いませんでした。
十割そばの店
蕎麦の身を殻ごと石臼で挽く「挽きぐるみ」というやり方で製粉しているので出雲そばは色が黒く香りが強いのが特徴で、砂屋ではそれに加えてつなぎを一切使わず挽きぐるみのそば粉100%でそばを打つ「十割そば」を提供しています。つなぎがないそばは切れやすくぼそぼそしているといったイメージが強いのですが、砂屋は独自の工夫で「つながりやすく」「食べやすく」なるように工夫しているようです。
人気店にお昼過ぎという最悪のタイミングで入ったため行列は相当なものがありました。
最終的な待ち時間は50分くらいだったと思います。
出雲の名所
質も量も素晴らしかった
出雲そばは「割子そば」と「釜揚げそば」の二通りの食べ方がありますが、基本的に冷たいものが食べたいので私の場合は割子そば一辺倒になってしまっています。
今回も割子そば4段を注文しました。
薬味を投入してつゆをかけます。
江戸時代に松江の趣味人たちがそばを野外で食べるための弁当箱として開発したというのが割子の起源と言うことで、こうしてみると何やら美術工芸品のようです。
二八そばの店とくらべるとそばはかなり太めです。十割そばでありながら滑らかな口当たりでコシと歯ごたえもあり、後味で甘さと香ばしさも感じることができました。もみじおろしは意外にマイルドでしたが、後からしっかりと効いてきます。
そば湯はドロドロしていて結構な粘度があり、残ったつゆに注いでも分離したままでした。実に不思議な感覚でしたが、それはそれで美味しく頂くことができました。
黙っていても客がやってくる有名寺社の門前の店にはろくなものがないと常々思っていましたが、砂屋は違っていたようです。そばの質の点でも量の点でも素晴らしい店だったと思います。
「本格手打蕎麦 出雲 砂屋」について
主なメニュー
割子そば3段 1020円
割子そば4段 1360円
梅とろろそば 1290円
牛肉そば 1240円
釜揚げそば 1020円
地図
店舗概要
営業時間(そばがなくなり次第終了)
11:00~15:00(平日)
10:30~15:30(土日祝)
定休日 火曜日 第3月曜日
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