渋谷の「やしま」は創業以来四代、約80年続く讃岐うどんの老舗で、独特な雰囲気の店内で完全手作りうどんを楽しむことができます。高円寺のとこ井で初めて見たうどん湯がこちらにもあり、醤油うどんのつゆを残らず味わうことができました。
四代続く老舗である「やしま」
「やしま」は80年前に香川県善通寺市で創業した讃岐うどんの店で、三代目の店主の時に東京に進出しました。当初は宇田川町に店があったのですが、していた入居していたビルの解体のためいったん閉店します。その後四代目が富ヶ谷にオープンさせた店が軌道に乗ってきたためこれを三代目に譲り、新たに出店したのが円山町店です。
そのため「やしま」には円山町店と富ヶ谷店と2つの店舗がありますが、両店は本店と支店というような関係ではありません。
おもちゃ博物館のような店内
やしまは東急百貨店本店からさらに西方向に進んだ場所にあり、ビルの半地下といった感じの一室に出店しています。
前室のような場所は壁一面に昭和のホーロー看板やら映画のポスターがほとんど隙間なく貼られており、「ただものではない」という雰囲気を醸し出しています。
扉を開けて中に入ると状況は更にエスカレートしており、壁という壁にアニメや漫画のフィギュアが並び、映画のポスターがこちらにも貼られています。
店内はカウンターが4席でそのほかにテーブル席が4つあり、カウンター席に座ると目の前はこんな状態でした。カウンターがこうですから、壁がどうなっているかは容易に想像できると思います。レトロ感を出した店としては淵野辺の夜鳴き軒や厚木の麺や食堂がありますが、やしまの場合はフィギアやポスターの量が恐らく一桁違っており、どちらかというとおもちゃ博物館を思わせるような雰囲気でした。
注文を受けてからうどんを茹で始めるのでそれなりに待ち時間が長くなりますが、店内をきょろきょろと見ているだけであっという間に時間がきてしまいます。
東京で食べられる本格讃岐うどん
醤油うどん
メニューの筆頭に挙げられていた「生じょうゆうどん」を注文することにしました。
「醤油うどん」には20数年前高松で初めて出会いましたが、茹でて冷水で締めたうどんにただ醤油をかけるだけという食べ方にたまげさせられたことを記憶しています。今でこそそれほど珍しくなくなりましたが、当時は香川以外には存在しなかった食べ方で、「本当によくできたうどんは醤油をかけただけでも十分すぎるほど美味い」というのはカルチャーショックそのものでした。
薄口のしょうゆを吸ったあげ玉が完全手作りのうどんに絡みつく
あげ玉生じょうゆうどん中盛とトッピングのとり天です。
すでにしょうゆがかけられていたので、薬味を加えてひたすらかき回し、あとはすすりこむだけです。
機械を一切使わず完全手作りのうどんはやや平打ちとなっていて、手切りのため太さが若干不揃いとなっています。モチモチとしていながらしっかりとした弾力があり、口の中の粘膜にまとわりついてくるのは快感で、のど越しの良さも楽しむことができます。
かかっている醤油は一般的なものと違ってかなり薄口で、山盛りのあげ玉がこれを吸い込んでいい感じにうどんに絡んでいます。ただ辛みが若干物足りなかったので、卓上の醤油を少し回しかけました。
トッピングのとり天も絶妙なサクサク感とジューシーさがあったと思います。
やしまにも「うどん湯」があった
中盛はそれなりの量があったのですが一気に完食しました。
先日高円寺の「とこ井」で初めて「うどん湯」というものに出会いましたが、なんとここやしまにもうどん湯があったではないですが。
しょうゆと薬味だけがのこされたどんぶりにうどん湯を注ぎ、最後まで美味しく味わうことができました。
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