桜木町の川村屋は創業124年の歴史ある店で、「横浜四大立ち食いそば」の一つとされるほどの存在となっています。昨年一旦閉店したものの見事に復活した店のそばは個性的でありながらバランスが取れていました。
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桜木町駅の一等地にある「川村屋」
東急東横線と言えば渋谷と横浜を結ぶ路線ですが、かつては桜木町まで伸びていたということをどれだけの方が記憶しているのでしょうか。当時は横浜から先はJRと東急が地上を並行して走っており、JR桜木町駅のすぐ隣に東横線の桜木町が並んでいました。しかしみなとみらい線の開通により2004年1月30日にこの区間が廃止となり、東横線桜木町駅はもはや痕跡すらありません。(線路の跡はまだ残っていました。)
かつて東急の駅があったと思われる場所には現在では「停車場ビュッフェ」と名付けられたテラス席付きの簡易レストラン・喫茶店エリアが設けられており、「桜木町二丁目交差点」寄りの一番目立つ場所に立ち食いそば屋の川村屋が位置しています。
停車場ビュッフェの5つの店舗の中で川村屋だけは駅構内側にも出入口があります。
歴史ある店が再開した
川村屋の創業は1900年ということですから今年で124年ということになります。当時は現在の桜木町駅が横浜駅であり、川村屋は駅構内の洋食レストランとしてスタートしました。皇族や政治家、貴族、軍人等の利用も多い横浜駅構内ですから営業許可をとるのも大変で、何と初代内閣総理大臣伊藤博文とのコネを利用したといいます。
1969年から店舗を借り増してそば屋やミルクスタンドも始め、その後は駅の移転や改築に応じて営業形態を変えつつも一貫して「桜木町と一心同体」を保ち続けました。私が桜木町駅前にあったマンションのモデルルームに通勤していた2005年頃は現在の観光案内所の場所に店があった記憶があります。2014年に「停車場ビュッフェ」が開業するとそちらに移転しました。
かつお節をふんだんに使い、出汁取り一筋数十年のおばちゃん達が店内で作ったつゆは熱烈なファンが多かったのですが、後継者の不在と従業員の高齢化を理由に2023年3月末で閉店してしまいます。これは大きなニュースとなりましたが、娘夫婦が店を継ぐことになり、同年9月1日に復活しました。
「横浜四大立ち食いそば」とは?
川村屋は横浜駅前の「きそば鈴一」・関内の「相州そば」・東神奈川駅の「日栄軒」と並び、現在では「横浜四大立ち食いそば」の一つとされるほどの存在となっています。
有名な立ち食いそば
個性的な店のバランスの取れたそば
川村屋の閉店と復活のニュースは知っていましたが、桜木町まで行く機会はなかなかありません。ぴあアリーナMMで開催された乃木坂46のアンダーライブの際に合わせて訪れました。
駅の立ち食いそば屋としてはありえないほどメニューが豊富で、その中でも「何にしようか迷ったらこれ」と言われるほどの名物がとり肉そばなのだそうです。
外国人観光客も多いエリアなので英語のメニューまで用意されていました。
店内にはカウンター席と立ち食い用のカウンターがあり、店外にも立ち食い用のテーブルが置かれています。私が訪れたのは食事時から外れた夕方で、立ち食いそば屋と言えど立って食べている人はいませんでした。
とり肉そばが桜木町駅名物ということですが、私は食べ慣れている天ぷらそばを注文しました。
天ぷらが揚げたてでサクサクしており、淡白なそばにコクが加わっています。天然の素材をふんだんに使ったというつゆは薫り高く、味もしっかりとしていました。麺はフワフワした食感ながら表面にざらつきがあり、それによりつゆとの一体感が増しています。
全体的にバランスの取れたそばだったと思います。
首都圏のJRにおいて個性的な駅そば店が次々と閉店となっていく流れの中、このような店が復活したのは実にありがたいものです。桜木町を訪れた際には今後も利用したいと思います。
川村屋について
主なメニュー
天ぷらそば 460円
とり肉そば 430円
天玉そば 540円
きす天そば 500円
店舗概要
営業時間
7:30~20:15(月~土)
8:30~20:15(日・祝)
定休日 無休
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