新宿御苑前の「うどん萬田次郎」は北九州の「豊前裏打会」の流れを汲む超人気のうどん屋です。福岡のうどんでありながら麺は讃岐のムニュムニュ系に近く、独自の出汁と絡んで素晴らしい味になっていました。
是非こちらもご覧ください
新宿にとんでもない行列店ができていた
「うどん萬田次郎」は、福岡県・薬院にある「萬田うどん」の東京第一号店で、2022年2月5日に新宿御苑にオープンしました。
新宿のうどん屋といえば東京麺通団や一滴八銭屋のような讃岐うどん系の店ばかりマークしていたため福岡のうどんはノーマークであり、最近になってYouTubeの動画で初めてその存在を知りました。どうやらとんでもない行列店で、注文毎に切る・茹でることにこだわった半透明の麺が人気のようです。
また北九州市にあるうどん屋を中心に結成された、「豊前裏打会」と呼ばれる一大勢力の構成員であることでも知られています。
「豊前裏打会」とは何か?
「豊前裏打会」とは福岡県北九州市にある「津田屋官兵衛」を盟主としたうどん屋のグループで、メンバーは官兵衛の麺に魅了されて修業した人々ばかりで構成されています。現在の北九州市がかつては「豊前国(ぶぜんのくに)」と呼ばれていたことに由来し、「讃岐を表とするなら自分たちは裏を行こう」ということで各地に「豊前裏打会」の看板を掲げています。
グループ内で同じ小麦粉を使うというようなことはあるものの、チェーン店ではないので細かな部分は店ごとの裁量に任されているといいます。但し麺の個性を最大限生かせるよう、茹で上げ時には必ず指で麺の状態を確かめることが掟となっています。
北九州市や福岡市を中心とした九州の店が大半ですが、高田馬場の「大地のうどん」と曙橋の「饂飩酒場さるぅ」と共に東京の店も3店舗加盟しています。
歴史のあるおでん屋のようだった店内
萬田次郎は大変な人気店であり、8:00から整理券の受付をしていることは事前に収集した情報で知っていました。そんな店に開店時間に合わせていったのでは大変なことになってしまうのは新宿の「うどん慎」で実証済です。
そのため開店1時間前の10:00に来てみました。
店頭に掲示してあるQRコードをスマホで読み取って受付番号を取得すると何と7番であり、これなら開店と同時に入れそうです。
すぐ近隣にある新宿御苑で時間をつぶし、呼び出しの通知があったので店の前に戻りました。
店内はコの字型のカウンター席のみで全13席あり、歴史のあるおでん屋と見まごうばかりの雰囲気です。私が日頃から入っているようなうどん屋とは明らかに客層が違い、私以外は全員それなりに着飾った男女のペアばかりでした。
「初めての店では王道メニュー」という原則に従って肉ごぼう天うどんを注文することにします。ちなみに左隣の客が注文した「濃厚貝汁つけ」には赤子の拳くらいの大きさの蛤が付いており、また右隣の客のざるうどんにはわらじのような大きさのトウモロコシのかき揚げがのっていました。
写真中央よりやや左にあるのが製麺機で、黒い服を着たスタッフの奥に釜があります。注文が入ると製麺機で生地を延ばし、切ったらすぐに隣の釜に投入しているようでした。
ムニュムニュ系のうどん(記事は下に続きます)
ムニュムニュ系の美味しいうどんだった
肉ごぼう天うどんには薄くスライスしたごぼうの巨大なかき揚げと見るからに高そうな肉がのっています。カツオ風味の出汁に肉の甘味が溶け出し、さらにこの後にごぼう天のコクが加わります。
麺は芯まで透けて見えるような透明感としなやかさがありました。中太麺だと思って食べていましたが、こうしてみると思いのほか細いことに驚いています。細麺の五島うどんを食べ歩いてきた直後で感覚が狂っていたのかもしれません。
フワフワした中にしっかりとした弾力があるというのが福岡のうどんに対する私のイメージだったのですが、萬田次郎のうどんは香川の「飯野屋」や「時とまるUDON」のようにムニュムニュしていました。ただし麺の一本一本は柔らかいものの集団になるとほのかな弾力も感じられ、出汁もよく絡んで大変に美味しいうどんだったと思います。
存在感抜群の肉からは脂身の美味さもあり、薄くスライスしてあるにもかかわらずごぼうからは力強い野性味が感じられました。
しっかりと最後まで完食しました。
うどん萬田次郎について
主なメニュー
かけうどん 650円
ざるうどん 650円
ごぼう天うどん 1000円
肉ごぼう天うどん 1500円
萬田うどん 1700円
(ごぼう天・肉・とろろ・卵)
地図
店舗概要
東京都新宿区新宿1-12-1サンサーラ第三御苑 1F
営業時間 11:00~15:00 17:00~21:00
定休日 日曜日
このブログのイチオシ記事
「評価に値する」と思われたらワンクリックお願いします。読者登録とブックマークを頂けるともっと嬉しいです。