戸隠そば「そばの実」は戸隠神社中社から奥社入口へ向かう車道が鏡池方向からの道と合流する場所にあります。昨年10月にも横を通りがかりましたが、ものすごい行列ができていたためにその時は断念しました。モチモチとしたコシがあるそばに加えて薬味の大根おろしが素晴らしく、そばの味わいをさらに引き立てていました。
急遽立ち寄ることにした「そばの実」
今回中社から奥社までは神道を通るつもりであったので、当初は別の店を予定していたのですが、積雪がひどくてとても歩ける状態ではなかったため、急遽車道沿いにあるそばの実に下りで立ち寄ることにしたのです。
奥社から急な雪道を一気に下り、そのままの勢いで車道を歩いて到着しましたが、時刻は13:30でお昼時を外れていたため行列もなくすんなりと入店できました。
うずら家同様にこちらにも「そば玉」が下げられています。
各地のそばの名店
薬味の大根おろしが素晴らしかった
蕎麦が出てくるまでの間に大抵は自家製の漬物が出されるのが戸隠そばのお決まりのようで、今回店員が丁寧に説明してくれたのですが、やっと座れたという安堵感で上の空になっており、完全に聞き流してしまいました。
今回注文したざるそばです。竹で編まれた円形のざるの上に「ぼっち盛り」で盛り付けされた、まさに王道の戸隠そばです。
水を殆ど切らずに出すというのも戸隠そばの特徴のようで、一見すると「伸びてんじゃねえか?」と思いますが、口に入れてみるとまったくそのようなことはありませんでした。
細目ではありますがモチモチとしたコシがあり、そばの味もしっかりと感じることが出来ます。特に薬味に入れた大根おろしが素晴らしく、そばの味わいをさらに引き立てていました。
そば湯も美味しくて大変に満足することが出来ました。
そばに関して味覚音痴ではなかったようで安心した
今回長野を訪れるにあたってはそば屋に関して事前に入念に調査していたため、入ったどの店でも大変においしいそばを食べることが出来ました。実は一番美味かったのは松本の深志神社の近くにある店だったのですが、「ネットに投稿しないでください」という注意書きが店内に2枚も貼られていたため、残念ながら今回ご紹介することを見送っています。
これまで善光寺、諏訪大社、戸隠神社等のお参りで長野を訪れ、その度ごとにそばを食べていたにもかかわらず美味しいと思うものがほとんどなく、自分はそばに関しては味覚音痴なのかもしれないと思いかけていた。それだけに今回世間的に評価の高い店で、自分も同様の感想を持つことが出来たことを嬉しく思っています。
「善光寺商法」という言葉が広がらないことを願う
当ブログで最初にご紹介した信州そばの店は、長野駅からバスで約1時間かかる戸隠山の中腹まで行って見つけることが出来ました。そばの本場という長野のイメージからすると随分違っていたように思います。
こちらでは「善光寺商法」という言葉があると聞いたことがあります。善光寺には全国からお参りのために人々が集まってきます。そのため門前の店は善光寺が勝手にお客様を集めてくれるので、いい場所さえ押さえておけば営業努力など何もしなくても商売繁盛です。このような殿様商売のことを地元の人が自虐的に称したのが「善光寺商法」ですが、これでは品質向上など到底望めません。
私個人の印象として長野駅周辺は比較的まとも(それでも今どき分煙をしていない信じられない店があった)でしたが、善光寺に近づくほどひどくなりました。門前の店がどこも狂ったようになる御開帳の時だけでなく、それ以外の閑散としている時でも同様です。高尾山のとろろそばの店もどこもひどいものばかりでしたから、これはもう門前町にある商店の持病なのかもしれません。
しかし長野といえば信州そばというのは誰もが持っているイメージであり、全国から善光寺にお参りに来る人のほとんどがそばを楽しみにしていると思います。
信州に長くお住まいの方はそれぞれお気に入りの店をお持ちだと思いますが、観光客にとってはそんな時間的余裕はありません。期待を裏切られて地元に帰った人によって善光寺商法という言葉が全国に広がり、大切なブランドイメージが失墜してしまう事を心配しています。(ちなみに私は長野駅前ではもうラーメンしか食べません。)
そばの実
営業時間10:30~16:00
定休日:木曜、第三金曜
このブログのイチオシ記事
「評価に値する」と思われたらワンクリックお願いします。読者登録とブックマークを頂けるともっと嬉しいです。