戸隠そばの「うずら家」は戸隠神社中社のすぐ前に位置する超人気店で、開店時間の少し前に訪れると厳冬期であるにも関わらず大勢の客が並んでいました。「ぼっち盛り」されたそばはツルツルとしたのど越しの良さとともにシコシコとしたコシがあり、自分でおろしたわさびが味を引き立てていました。
戸隠神社中社のすぐ前にある行列店
うずら家は戸隠神社中社のすぐ前という絶好の場所に位置しています。宝光社~火之御子社の雪道で完全に消耗してしまい、フラフラになって中社にたどり着いたときにちょうど開店時間となりました。
厳冬期であるにも関わらず大勢の客が開店を待っていましたが、店主自ら「おはようございます、早い時間からありがとうございます」と丁寧に口上を述べて客を迎え入れていました。
戸隠そばとは
長野県はそば処として知られていますが、その中でも戸隠のそばは信州そばではなく戸隠そばと呼ばれ、岩手のわんこそば、島根の出雲そばとともに日本三大そばの一つとされています。
始まりは平安時代
戸隠神社は平安時代後期以降、神仏習合の戸隠山勧修院顕光寺として全国にその名を知られ、当時は比叡山、高野山と並び称されるような存在だったといわれています。修行のために集まった修験者の携帯食料としてそばが持ち込まれたことが戸隠とそばのつながりの起源だとされています。
ぼっち盛り
戸隠そばをざるで注文すると、一口ぐらいの量ごとに束ね、5~6束をひとつのざるに並べた独特の盛り方で出てきますが、この盛り方がぼっち盛りです。「ぼっち」は「法師」のことで、「一人ぼっち」は山に一人で籠って修行する「独り法師」からきているという事ですが、戸隠そばのこの盛り方はかつて修験者の食べ物であった時代の名残なのかもしれません。
そば玉
戸隠のそば屋の軒先には「そば玉」が下げられています。
日本酒の蔵元では新酒が出ると目印として「杉玉」を下げますが、「そば玉」は新そばが出た事を知らせる目印になります。
各地の名物そば
わさびを自分でおろしながら待つ
蕎麦が出てくるまでの間に自家製の漬物が出てくるのも戸隠そばのお決まりのようですが、うずら家ではそれに加えて皮をむいたわさびとおろし金も出され、自分でおろしながら待つことになります。
力を入れると”キメ”が荒くなり”粘り気”も落ちてしまいますので、力を入れずに細かく「の」の字を描くように優しくすりおろしました。
そばが出てくるまで少し待ちましたが、雪道を歩いた後で膝が笑っている状態だったので、いい休憩になりました。
各地のそば
こういうそばを食べたかった
これぞまさにぼっち盛りで、ざるそばですが海苔はかかっていません。
ツルツルとしたのど越しの良さとともにシコシコとしたコシがあり、私が常日頃から「こういうそばを食べたい」と思っていたそのものの味わいでした。
自分でおろしたわさびは予想以上にいい感じで、少量をそばに付けてつゆに浸してすすり込むと、わさびの辛味がそばの甘さを引き立てます。
そば湯も濃厚すぎず薄すぎずで程よい感じで、食事の締めにとしては最適な味わいでした。
最初から最後まで感じのいい店だった。
会計を済ませて外に出ようとすると店主自ら飛んできて、「今日は早い時間から有難うございました」と丁重に礼を言われました。
最初から最後まで感じのいい店だったと思います。
営業時間:10:30~16:00(そばが無くなったら終了)
定休日:水曜日
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