全国のうどんを制覇したい!

日本は地域ごとに独自の食文化があり、どこを旅しても生活に密着したうどんを楽しむことができます。うどん専門ブログとして全国各地の超個性派うどんを制覇していきます。

花山うどんの「鬼ひも川」は幅広の麺と出汁が最高!

館林の花山うどんは幅の広いひもかわうどんの人気店です。抜群に美味い出汁が幅広の麺によく絡み、全体として関西の超一級のきつねうどんのような味わいで口の中が幸福感でいっぱいになりました。

群馬県も隠れたうどん王国だった

日本では全国いたるところに「ご当地うどん」と呼ばれる文化があり、各地を巡ってみるとそれぞれの地域ごとに全然違った食べ方を楽しむことができます。中でも秋田の稲庭うどんや香川の讃岐うどん、長崎の五島うどんなどが特に有名で、また関東では武蔵野うどんで知られた埼玉県が「第二のうどん県」などと呼ばれるほどの存在となっています。

そんな中で比較的地味な存在ではあるのですが、実は群馬県も隠れたうどん王国だったのです。

群馬県は水はけの良い水田と冬のからっ風などの自然条件を活かし、米づくりの裏作として小麦が盛んに生産されてきました。生産量としては全国で第6位という規模を誇り、さらに小麦を使用した産業も盛んにおこなわれています。

日清製粉の工場

あの日清製粉の発祥の地が館林であり、国内で有数の大企業となった現在でも重要な生産拠点であったりするのです。

小麦の産地であればこの地域の人々は家庭で日常的にうどんを打っていたでしょうし、客をもてなす際にうどんを出していたということも十分に考えられます。

本場のひもかわうどんが食べたくなった

群馬県では水沢うどん・桐生のひもかわうどん・館林うどんが「群馬三大うどん」と呼ばれています。(ちなみに現時点で私は水沢うどんをまったく評価していません。)

ひもかわうどんとは北関東特有のうどんで、一般的なうどんとは形が異なっていて幅広く薄いのが特徴です。麺の幅や厚さは店によって様々ですが、JAS規格では「幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満」という定めがあるようです。

江戸時代に三河の芋川(現在の愛知県刈谷市)の名物だった平打ちうどんがルーツで、「いもかわ」が「ひもかわ」になったとされていますが、愛知の名物がなぜ群馬で人気になったのかについてはよくわかりません。

花山うどんの外観

以前に都内の店でとんでもない幅のひもかわうどんを試してみてその食べにくさに閉口した記憶があるのですが、今回改めて本場の人気店で食べてみることにしました。桐生うどんの代表的な食べ方ですが、館林駅前にある「花山うどん本店」が最も有名な店であるようです。

館林駅

熊谷と並んで日本で最も暑い街の双璧のような存在なのが館林です。9月中旬とはいえもの凄い残暑でした。

各地の特徴あるうどん

kakeudon.hateblo.jp

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評判を聞きつけた人たちで店は混雑していた

花山うどん本店は東武伊勢崎線館林駅前すぐの場所にあります。1894年(明治27年)に創業して120年以上続く老舗店で、本店以外に5店舗を構えています。

開店15分前の花山うどん

さすが人気店だけあり、開店の15分前に着いたにもかかわらず既にこんな状態でした。印象としては評判を聞きつけてマイカーでやってきた観光客が多かったように思います。

花山うどんの暖簾

歴史を感じさせる暖簾です。

帳面

建物の陰になっていてわかりづらかったのですが、あらかじめこちらの帳面に必要事項を記入して待ちます。これに気が付かないと後から来た人に順番を抜かされることになるので注意してください。

「三連覇達成」の幟

花山うどんは東京で開催された「うどん天下一決定戦」にて2013年~2015年と見事3連覇し、殿堂入りを果たしたほどの店です。

花山うどんのメニュー

看板メニューの「鬼ひも川」は大正時代に2代目が開発した麺を再現したもので、幅は当時のままで厚みを箸が透ける程薄くしています。冷たいうどんも温かいうどんも麺は「鬼ひも川」と「うどん」のどちらかを選ぶことができます。

口の中が幸福感で満ちていた

花山かけ

始めて入った店では極力かけうどんを食べるようにしており、今回も「花山かけ」を注文しました。麺は当然ながら鬼ひも川です。店オリジナルのたぬきのドンブリが持つのに注意を要するほど熱々になっていました。

ひもかわうどんの幅広な麺

幅が5㎝・厚さが2㎜くらいで、これを1枚ずつ食べていくことになります。普通のうどんのように勢いよく啜りこむことも噛まずに呑み込んでのど越しを楽しむこともできず、その代わりに口当たりや食感を楽しむことになります。

出汁が抜群に美味く、この形状だと麺に本当によく絡みます。色が濃いことを除けば甘目の関西風の味わいで、刻んだ油揚げが入っていることもあって全体としては道頓堀今井のきつねうどんのような味わいだったと思います。ツルツルした舌触りできしめんよりもモチモチとしたコシがあり、食べている間は口の中が幸福感で満ちていました。

空のドンブリ

美味しく完食しました。

このくらいの幅が限度だと思う

水沢うどんは観光バスでやってくる団体客相手のうどんで全く感心できませんが、館林で食べた桐生うどんは実に美味でした。

埼玉にはこの倍くらいの幅がある「川幅うどん」というものがあるそうですが、おいしく味わうには鬼ひもかわくらいが限度なのではないかと思います。館林は訪れるのがなかなか大変な街ですが、幸いなことに花山うどんは銀座や日本橋羽田空港内にも店があるようで、こちらなら簡単に行けそうです。

花山うどん本店について

主なメニュー

花山かけ     780円

釜玉うどん    980円

ざるうどん    750円

冷やし釜玉うどん 980円

地図

店舗概要

群馬県館林市本町2-3-48

営業時間 11:00~15;00(麺がなくなり次第終了)

定休日 日曜(GW、お盆、お彼岸等は休まず営業)

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