「みそ煮込みの角丸(かどまる)」は「名古屋最細」と言われる麺が特徴の店で、モチモチした食感の味噌煮込みうどんを食べることができます。独自にブレンドした味噌とだしを合わせたつゆは麺にも御飯にも合っており、それに加えて漬物が最高でした。
好き嫌いがはっきり分かれる名古屋めし
グルメ激戦区の名古屋では古くから独自の食文化が発展しており、味噌や溜まり醤油を使用した味の濃い料理が好まれてきました。味噌カツ・手羽先唐揚げ・あんかけスパ・台湾ラーメン・天むす等々、全て誰でも知っている料理に独自の創作を加えたもので、1975年頃からマスコミに取り上げられるようになり、2000年頃からこれらを称して「名古屋めし」と呼ぶようになっています。
アテネオリンピックが開催された2004年に私は仕事で名古屋に3カ月出張し、「せっかくの機会だから」ということで滞在中に様々な名古屋めしを食べまくりました。結果として味噌カツとひつまぶしにはまり、あんかけスパはどうしてもなじめず、味噌煮込みうどんの硬さに悶絶し、それらの強烈な印象は今でも残っています。
個性が強すぎて好き嫌いがはっきり分かれるのが名古屋めしなのかもしれませんが、そんな中で初心者にもやさしい味噌煮込みうどんを出しているのが角丸です。
もうすぐ創業百年で三代続く老舗
「みそ煮込みの角丸」の創業は1926年(大正15年)で、現在は三代目の店主が味を守り続けています。「三代もしくは百年」というのが老舗の条件のようなので、角丸は堂々たる老舗ということになります。
当初は麺類や丼もの全般を提供する食堂で味噌煮込みうどんはあくまでもメニュー中の一つに過ぎなかったようですが、名古屋めしが話題になり始めるとオーダーが味噌煮込みうどんに集中するようになり、メニューから店の造りに至るまで味噌煮込み中心に変えたといいます。
味噌煮込みうどんは極太の生麺を土鍋で煮込んだものが主流ですが、これは山本屋本店と山本屋総本家の影響が大きいようで、それ以前は平打ち麺の方が一般的だったといいます。しかし角丸はその中で細めの角打ち麺という独自路線を貫いています。
自社ビルを構えた人気店
角丸は名古屋テレビ塔がそびえる久屋大通り駅から5分という、便のいい場所に位置しています。
3階建てと小さいながらも立派な自社ビルを構えており、相当に儲かっていることがうかがえます。
店内にはテーブル席の他にカウンター席が並んでおり、一人でも入りやすくなっています。アットホームな雰囲気のこぢんまりとした店で、その割に店員の数が多いと思ったのですが、後で調べてみると2階部分も客席となっていて合わせると70席もあるそうです。
みそ煮込みうどんが松・竹・梅と分かれているのがメニューの特徴ですが、序列のつけ方が一般的な感覚とは逆のようです。みそ煮込みばかりですが、裏面にはきしめんや丼ものも記されています。ちなみに角丸の店主は愛知県手打ちきしめん技術コンテストの優勝者でもあります。
名古屋のうどんについて
モチモチした食感の味噌煮込みうどんだった
定食がなかったので、みそ煮込み(梅)にライス並を追加しました。これまでの店と違って土鍋に蓋がなく、その代わりに取り皿が付けられています。
具材は、揚げ、お麩、ネギ、鶏肉、かまぼこ、生卵のようです。
これが角丸の細麺で、直径3㎜~4㎜というのは地元のライターによれば「名古屋最細」なのだそうです。東京ならラーメンといっても通用する太さです。
二種類の赤みそと白みそをブレンドし、ムロアジとカツオを中心にとっただしと会わせたつゆは甘さ控えめでコクがあり、食べやすい硬さの麺にしみこんでモチモチした食感を出していました。また鮮度にこだわって専門店から仕入れているという鶏肉もつゆで煮込まれて抜群の味わいとなっており、地味でありますがきゅうりの漬物も素晴らしいものがあったと思います。
どうやら味噌煮込みうどんにとって、御飯と漬物は欠かせないものであるようです。
「みそ煮込みの角丸」について
主なメニュー
みそ煮込み 松(玉子入り) 980円
みそ煮込み 竹(かしわ入り) 1150円
みそ煮込み 梅(玉子・かしわ入り)1210円
カレー煮込みうどん 980円
地図
店舗概要
角丸
愛知県名古屋市東区泉1-18-33
営業時間
[月~金]
11:00~15:00 17:00~19:00
[土]
11:00~14:00
定休日 日曜日
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