全国のうどんを制覇したい!

日本は地域ごとに独自の食文化があり、どこを旅しても生活に密着したうどんを楽しむことができます。うどん専門ブログとして全国各地の超個性派うどんを制覇していきます。

富士吉田の「麺許皆伝」は噛みしめる程うまみを感じる

「麺許皆伝」は吉田うどんを代表する手打ちうどんの有名店であり行列店です。40分並んで食べたうどんはコシと程よい圧か感じられ、噛みしめるとうまみを感じるものでした。

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吉田うどんとは

吉田うどんとは「山梨県富士吉田市および同市を含む山梨県郡内地方を中心に食べられている郷土料理にうどん」とWikipediaでは定義されています。山梨県の天気予報において「東部・富士五湖地方」と呼ばれる地域が該当するそうで、恐らく大月から河口湖にかけてのエリアに当たるのではないでしょうか。

冨士山小御嶽神社のお参りでせっかく富士吉田まで来たのですから、「これぞ吉田うどん」というようなものを味わってみたいものです。事前に様々な情報を入手し、富士山駅の近くにある「麺許皆伝」に行ってみることにしました。

本場は富士山駅周辺

富士五湖エリアに関しては「富士急の河口湖駅周辺が全てにおいて中心である」というざっくりとしたイメージを持っていたのですが、実際に訪れてみると必ずしもそうとは限らないように感じられました。

吉田うどんの地図

うどんに関して言えば「ほうとう不動」ばかり目立っている河口湖駅周辺に対し、吉田うどんの店は富士山駅周辺に集中しており、自転車でも回れそうな範囲に吉田うどんの店がなんと49軒もあります。(富士吉田では全て富士山が基準となるため、地図も南が上になります。)

吉田うどん地図の拡大図

このうどん屋の密度の濃さはうどん県香川以上であるようにも感じられました。

吉田うどんの特徴

昭和初期、富士吉田は主産業の織物業が隆盛を極め、そのため機織りをする女性の手を煩わせることがないよう男がうどんを打ったといいます。ほうとうと違って塩水を使用し、力任せに生地をこねたため歯ごたえのあるねじれた太麺が主流となりました。そしてうどんでは珍しく麺のお替りである「替え玉」があります。

つゆは味噌ベース・醬油ベース・味噌と醤油をブレンドしたものと3通りあるようで、店によって異なります。

上に載せる具材としては茹でたキャベツと肉というのが鉄板で、肉は馬肉を使うことが多いのが吉田うどんだけに見られる特徴です。

そしてゴマ・山椒・唐辛子等を使用して店ごとに研究を重ねた「すりだね」と呼ばれる薬味で「味変」するのがお決まりのようです。

讃岐うどんと同様に吉田うどんは基本的に昼飯として食べるもので、ほとんどの店の営業時間が11;00~14:00となっています。(人気店では13:30頃に売り切れで終了してしまうのも讃岐うどんと同じ。)

吉田うどんを代表する手打ちうどんの有名店

麺許皆伝は吉田うどんを代表する手打ちうどんの有名店であり、行列店です。

金鳥居

富士山の信仰世界への入口と考えられている「金鳥居」をくぐり、メインとなる通りから折れて少々奥まった場所に位置しています。

麺許皆伝の前に並ぶ列

富士山駅から一番早いバスで富士山五合目に上がり、お参りを終えてすぐに戻ってきたのですが、それでも時刻は土曜日の12:40頃になってしまいました。当然ながら大勢の人が順番待ちをしています。

玄関前に置かれた椅子

しかたなく椅子の上に置かれた帳面に名前を記入し、おとなしく待つことにします。

店内の様子

待ち時間40分ほどで名前を呼ばれ、店内に入ることができました。カウンターが4席(だったと思う)、他は全て座敷席でした。

麺許皆伝のメニュー

もうこの時点で天ぷら類はほとんど品切れです。

吉田うどんの名店

kakeudon.hateblo.jp

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噛みしめる程うまみを感じた

肉うどん

オーソドックスに肉うどんを注文しました。吉田うどんの中では例外中の例外で肉は牛肉を使用しています。

麺許皆伝の縮れた太麺

麺は縮れた太麺でした。決して硬くはなく、程よいコシがあって程よい圧を感じるうどんです。味噌と醤油を合わせた甘辛いつゆとよく絡み、噛みしめる程しっかりとしたうまみを感じました。牛肉とキャベツもしっかりとなじんでいます。

替え玉

この後もう1軒行くつもりだったので普通サイズにしたのですが、時間的に到底間に合いそうもありません。諦めて替え玉を頼みました。麺がツヤツヤと光っており、見るからに美味そうです。

すりだね

ここですりだねを登場させます。

すりだねをかけた肉うどん

残っていたつゆに替え玉を投入し、すりだねをかけました。辛さは控えめでつゆにピリピリ感が加わり、全然違う味わいとなりました。

吉田うどんを掘り下げようと思う

吉田うどんを称して「日本一硬い」とよく言われていますが、私は決してそんなことはないと思っています。硬いのは名古屋の味噌煮込みうどんで、その中でも特に「山本屋」という屋号の2つの系列はまるで芯が残っているかのような本当に硬いうどんが出てきますが、麺許皆伝の麺は噛めば噛むほど味が出るというタイプのうどんでした。

讃岐うどんのように啜りこんでのど越しを楽しむことができるような麺ではありませんが、これも一つの良さではないかと思います。吉田うどんはどうやらかなり奥が深そうであり、これから掘り下げていこうと思います。

麺許皆伝について

主なメニュー

肉うどん       500円

肉つけうどん     600円

肉ちく天冷やしうどん 750円

替え玉        150円

地図

店舗概要

山梨県富士吉田市上吉田東1-4-58

営業時間 11:00~14:00

定休日 日曜

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