「荻野屋 回 -kai-」は「峠の釜めし」の荻野屋が手掛けたうどん屋で、五反田のフードコート内に出店しています。麺はしっかりとした弾力とツルツル感があり、事前に想像していた以上にちゃんとしたうどんでした。
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「峠の釜めし」の荻野屋
荻野屋は信越本線横川駅前に1885年に創業した老舗の弁当屋で、「峠の釜めし」であまりにも有名です。
創業時の駅弁はおにぎり二個とたくあんで、益子焼の釜に炊き込みご飯を詰めた峠の釜めしは1958年に販売を開始しました。

保温性に優れていた陶器を容器としていたことから温かいままで販売することが可能で、峠の釜めしはそれまでの常識を覆す画期的な駅弁であったといいます。
碓氷峠の急勾配を克服するためには専用の機関車を連結する必要があり、当時の横川駅では上り下りの全ての列車が長時間停車していました。そのため駅弁の販売に適しており、販売員がホーム上で手売りしていた釜めしは売れに売れたといいます。
荻野屋では横川駅での駅弁販売以外の売り上げを増やすため販売ルートの多角化を進めており、それにより新幹線開業に伴う横川 - 軽井沢間廃止の影響は最小限にとどめました。
そんな荻野屋がいつの間にかうどんにも参入していました。
なぜうどん屋だったのか?
「荻野屋 回 -kai-」は荻野屋が首都圏に展開している直営店の一つで、群馬県産小麦を使用したうどんが看板メニューの店となっています。

大崎広小路駅近くの五反田JPビルディング1階のフードコート「五反田食堂」内にあり、2025年1月17日にオープンしました。出店予定の急なキャンセルがあり、フードコート側から急遽声がかかったといいます。
荻野屋が拠点を構える群馬県はうどんが人々の生活に根付いている地域であり、それだけに取り組みやすかったと思われます。フードコートのような場所では釜めしよりもうどんを押し出した方が良いということで、うどん屋を出店させました。
あの荻野屋のうどん屋ですからもっと話題になってもいいはずなのですが、最近になるまで知りませんでした。ネット上でうどん屋の情報収集をしていてたまたま気付き、実際に食べに行ってみました。
変わったメニュー(記事は下に続きます)
店は意外に小さかった


五反田食堂に入ってみると、荻野屋 回 -kai-は物陰に隠れた少々気付きにくい場所にありました。(左手の「回」と書かれた看板が荻野屋)

超ビッグネームでありながら店は思いのほか小さく、何やら意図的にひっそりと営業しているような気配すら感じます。

「温かい」「冷たい」が揃っており、メニューは意外に豊富です。うどんと釜めしのセットがおすすめなのは当然で、釜めしはテイクアウトもできます。つまり、デパートの駅弁大会に行かなくても五反田に行けば峠の釜めしを買えるのです。


タッチパネルを操作して注文すると呼び出しのベルが渡されます。
想像していた以上にちゃんとしたうどんだった

注文したのは「峠の釜めしセット」で、つけうどんとミニサイズの釜めしがセットになっています。薬味はネギと大根おろしに加え、紅しょうがと素揚げゴボウです。漬物は実際の釜めしと全く同じものでした。

麺とつけ汁がおなじみの容器に入っています。

釜めしは通常の三分の二くらいの大きさです。

麺はしっかりとした弾力とツルツル感があり、意外なほどしっかりとしていました。フワフワ感が全く感じられなかったため、恐らく釜あげではなく湯だめうどんでしょう。薬味に大根おろしというのはしょうゆうどん以外ではほとんど見ないのですが、麺の味を良く引きだしていたと思います。
全体的には想像していた以上にちゃんとしたうどんでした。あの峠の釜めしとセットで食べられるのですから、フードコートの企画としては大いにありではないかと思っています。
「荻野屋 回 -kai-」について
主なメニュー
特製釜玉うどん 780円
峠のかき揚げうどん 860円
肉盛うどん 1200円
峠の釜めしセット 1280円
峠の釜めし(テイクアウト) 1400円
地図
店舗概要
東京都品川区西五反田8丁目4番13号 JPビル1階 五反田食堂内
営業時間 11:00~18:00
定休日 木曜日
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