埼玉県飯能市の浅見茶屋は武蔵野うどんの人気店で、秩父の山中という立地ながら客足が絶えません。江戸時代の古民家を改装した店内は歴史と風格が感じられ、絶品のうどんと合わせてもの凄さを感じさせられる店でした。
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7年前の味が忘れられなかった
浅見茶屋は西武秩父線の吾野駅と子の権現の中間に位置するうどんと甘味処の店です。2017年9月に竹寺と子の権現のお参りを終えて吾野駅に向かう際にたまたま見つけた店で、その時に食べたうどんの美味さは7年が経過した今でも忘れられないものがありました。
浅見茶屋の歴史は古く創業は1932年(昭和7年)で、現在まで3代続く老舗です。選び抜いた1等級の小麦粉を使い、その粉と最も合う特別な塩で毎日「手ごね足ふみ」で練り上げられたうどんが評判です。
ミネラル豊富な山の天然水を利用して製麺していましたが、水量の関係で11月9日以降は週末の営業を取り止めて木曜と金曜のみの営業となっています。そのため木曜日に行くことにしました。
アクセスはほぼ登山
吾野駅から浅見茶屋に向かう場合、標識を頼りに子の権現を目指すことになります。
この看板を見てから先が意外に長いのです。
浅見茶屋までは坂道をひたすら上がっていかなければなりません。
私の足で吾野駅から徒歩約50分かかりました。
道路が舗装されていて店まで車で来ることも可能で、駐車スペースは既に満車となっていました。
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「ただ者ではない」雰囲気が漂う外観
浅見茶屋は幕末の1855年に建てられた古民家を使用しています。道後温泉本館(1894年築)より古く松山城(1854年再建)とはわずか1年違いであり、松山が誇る二大重要文化財とほとんど変わらない時期の建物なのです。もともとは林業と養蚕を生業としていた家だったといいます。
「ただ者ではない」という雰囲気が漂っています。
入口の紙に名前と人数を書いて順番が来るのを待ちます。この日は開店直後ということもあってすぐに店内に入れました。
店内はテーブル席とカウンター席が中心ですが、どうやら座敷席もあったようです。
最上級の武蔵野うどん
人気メニューの肉汁うどんです。深みのある白さの麺がピカピカと輝いており、見るからに美味そうなうどんでした。
薬味のネギとゴマをつけ汁に投入して準備完了です。豚肉・油揚げ・玉ねぎが入ったつけ汁は良く煮込まれており、東神奈川駅の日栄軒を思わせる甘辛い味わいでした。
麺の一本一本が長く、つけ汁に投入する際に苦労しました。武蔵野うどんの麺と言えば極太でねじれたり縮れたりするイメージがありますが、浅見茶屋の麺は中太のストレート麺です。口当たりやのど越しといった食感に関しては讃岐うどんに近いものがありましたが、それに加えて強力なコシと歯応えがありました。
しっかりと噛みしめて食べると甘辛のつけ汁や豚肉・玉ねぎの味わいを麺がしっかりと受け止めていることがよくわかります。武蔵野うどんの中でも最上級ではないかと感じられました。
いろいろと楽しめるもの凄い店だった
浅見茶屋は築169年というとんでもない木造建築物であり、それだけの風雪に耐えられる強さがなければなりません。
天井は城の天守閣や歴史ある寺院の庫裡を思わせるような強固な構造です。これなら大雪が降っても大丈夫でしょう。
秩父の山中にあるので暖房は必須です。
店内には本格的な薪ストーブや囲炉裏が設けられており、視覚面からも温かさが感じられるようになっていました。
江戸時代の当主が遠方からの客をもてなす応接室だったのでは、と思ってしまうような座敷もありました。
美味しいうどんだけでなく、店主の遊び心まで楽しめるもの凄い店だったように思います。
浅見茶屋について
主なメニュー
肉汁うどん 950円
いなか汁うどん 950円
とり南蛮汁うどん950円
ぶっかけうどん 950円
もりうどん 650円
地図
店舗概要
埼玉県飯能市大字坂石1050
営業時間 11:00~売り切れ次第終了
定休日 月・火・水・土・日
浅見茶屋と同時代の建築物
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