博多のみやけうどんは築99年の建物に店を出す創業70年の店です。歴史を感じられる店内はただ者ではない貫禄があり、じっくりと茹でられた太麺が出汁の良さを引き出していました。
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博多で一番びっくりした店
最近は時間が取れれば各地のご当地うどんの食べ歩きに出かけており、当ブログにおいても既に120軒以上の店をご紹介しております。
うどんは基本的には庶民の日常の食事ですが、儀礼や祭・年中行事などの「ハレ」の日の食事であるような場所もあり、また地域によっては殿様に対する献上品でもありました。そのためうどん店の形態も多種多様であり、雨の日に外で傘をさして食べるような店から登録有形文化財に指定された屋敷の座敷で食べるような店まで経験しています。これだけ入れば、もうどんなマニアックな店でも驚くことはないだろうと思っていました。
今回の博多の旅では3泊4日の間に9軒のうどん屋に入りましたが、そんな私がびっくり仰天したのがみやけうどんです。
「孤独のグルメ」も来た店
旅の準備をしている時にたまたま「呉服町に美味しい店がある」という情報を見つけたのがみやけうどんを知ったきっかけで、詳しく調べてみると「孤独のグルメ」の井之頭五郎も来た店のようです。博多駅から一本で行けない微妙な場所にあったためスケジュールに組み込む際に苦慮しましたが、博多バスターミナルへ戻るウエストコーストライナーを途中下車して向かいました。
1954年に創業したみやけうどんは福岡でも「最古」といってもよいうどん店で、現在は二代目の店主が店の味を守っています。ただ者ではない風格のある店構えで、1925年(大正14年)に建てられたということですから何と築99年です。
年季の入った看板の暖簾にかくされた部分に「名代」、その下に「うどんみやけ」と記されています。最後の「け」がよくわからなかったのですが、「希」を反対にして書いてあるそうです。
ちょっとやそっとでは出せない貫禄
お昼時を完全に過ぎた14時頃だったので店内にいた客は一人だけで、その人も私と入れ替わりで出て行ってしまったため店内は店主と私だけになりました。
テーブルと椅子は使い込まれて黒光りしています。富士吉田の桜井うどんに似た雰囲気で、ちょっとやそっとではこのような貫禄は出せません。厨房の真ん中に大きなかまどが据え付けられており、ぐらぐらと煮え立っている大釜にはテボがいくつも掛けられていました。
私が店に入るとカウンター席に座っていた店主が立ち上がり、「メニューはうどんとそばだけです。」と告げられました。しかしトッピングはいろいろ選べるようです。
注文して席に座ると間髪を入れず湯切りする音が背後から聞こえてきました。振り返ると店主が茹で上がった麺をどんぶりに入れ、やはり大釜の中に吊るしていた土瓶から出汁を注いでいます。麺をテボに投入した気配など微塵もなく、釜の中で麺を茹でっ放しにしていたに違いありません。これは伊勢うどんと同じやりかたです。
博多うどんの人気店
これまでで最も柔らかいうどん
注文したのは丸天とごぼう天をトッピングしたうどんです。たっぷりと時間をかけて茹でられているため、麺は表面の凸凹が見えるくらい膨れ上がっています。出汁に浸されてごぼう天から衣が分離して天かすとなってしまい、和風の風味にコクが加わっていました。
たっぷりと時間をかけて茹でられた極太麺は私がこれまで食べてきたうどんの中で最も柔らかったように思います。コシも弾力も一切ありませんが、表面の凸凹のおかげで出汁がよく絡み、あっさりとしていながら深みのある出汁の美味さがよくわかるうどんでした。
衣が分離してしまったごぼう天はいささか硬かったのですが、丸天は美味でした。
しかしいささか店の雰囲気に圧倒されてしまったように思います。
みやけうどんについて
主なメニュー
うどん 400円
そば 400円
海老天 100円
丸天 100円
ごぼう天 100円
地図
店舗概要
営業時間 11:00~17:00
定休日 日・祝
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