やまうちうどんはうどんの美味さに加えてノスタルジー感あふれる立地や店構えが印象的な讃岐うどん店です。出汁が実にうまく、コシが強めの麺がそれを受け止めていました。
- 「道路からは絶対見えん。建物自体が見えん。山しか見えん。」
- ノスタルジー感あふれる立地と店構え
- 宮武ファミリーの継承者
- 出汁の美味さを麺が受け止めていた
- やまうちうどんについて
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「道路からは絶対見えん。建物自体が見えん。山しか見えん。」
やまうちうどんは香川県南西部のまんのう町にある有名店で、その怪しげな立地や店構え、うどんの美味さ等はテレビや雑誌などの様々な媒体でこれまで何度も取り上げられてきました。
1993年に初版が発行された讃岐うどんの伝説的ガイドブック「恐るべきさぬきうどん」においても、谷川米穀店・山越・がもう・さか枝・竹清・長田うどん・なかむら・小縣屋といった錚々たるレジェンド店がずらりと並ぶ第1巻の中で、なんと冒頭に取り上げられるほどの店なのです。
やまうちの立地については「恐るべきさぬきうどん」での記述が最も的確で、以下の通り記されています。
「麺通団顧問のH氏(42才・某社の営業室長)が、とんでもない店を発見したと報告してきた。
『俺な、たいがい怪しい店行ってきたけど、あんなすごいところにある店は知らんわ。仲南の山の中や。道路からは絶対見えん。建物自体が見えん。山しか見えん。』
と言ったあと、しばらく考え込んだH氏はこう言った。
『営業する気あるんやろか。』」
ノスタルジー感あふれる立地と店構え
「道路からは絶対見えん。建物自体が見えん。山しか見えん。」というのは本当で、ナビがあっても迷ってしまうのがやまうちなのです。
県道197号線から土讃線の踏切を渡り、ここまで来たところで「目的地周辺です」ということでナビは誘導を打ち切ってしまいますが、周囲には何も見えません。道なりに直進してしまうと一面の田園風景の中に飛び込んでいくことになるので、ここで左折して坂を上がってください。
これを一度見たら絶対に忘れないと思います。古くからのうどん好きの間には「うどん屋を探すなら煙突を探せ」という言葉があるそうですが、その煙突から煙がモクモクと出ているまさに昭和のうどん屋そのものの光景です。
超人気店らしく、空き地という空き地は全て駐車場になっていました。金曜日の開店直後という時間帯のせいもあってすいていますが、うどんを食べ終わって帰るころには駐車する車の数はだいぶ増えていました。
うどんが芯から茹で上がり、独特のコシとねじれが生まれるように、やまうちではうどんを茹でる際の燃料として薪を使用しています。そのため店の脇には大量の牧が備蓄されています。
お勧めのうどん店
宮武ファミリーの継承者
やまうちうどんの創業は1984年です。讃岐うどん界には「宮武ファミリー」という言葉があり、かつて琴平町にあった「宮武うどん」と親類であったり師弟関係にあったりする店を指していて、やまうちもここに含まれています。
同じ店で修行したということがあって宮武ファミリーの店は「ひやひや」「ひやあつ」「あつあつ」という注文の仕方や、麺に手打ち特有のねじれやくぼみがあることが特徴とされています
本家の宮武うどんは2009年に閉店し、その他の宮武ファミリーの店も次々と閉店してしまい、やまうちは宮武うどんの数少ない継承者として生き残っています。(現在高松市にある宮武うどんは閉店後に入門した弟子が継承した店)
出汁の美味さを麺が受け止めていた
やまうちうどんは一般的なセルフの店で、メニューは「あつあつ」・「ひやあつ」・「ひやひや」・「しょうゆ」・「湯だめ」の5通りだけです。そのため初めて入るセルフの店でいつも感じる「どうやって注文すればいいんだ?」という緊張感は特にありません。店内を飛び交うコテコテの四国弁には何とも懐かしいものがありました。
あつあつ(小)ととり天です。
麺の太さが不揃いで、いかにも手打ち・手切りといった感のあるうどんです。出汁の色が薄く見るからに薄口という雰囲気ですが、飲んでみると濃厚で無茶苦茶に美味です。うどんはツルツル感が少ない一方でコシが強めであるように感じられ、それによって出汁のうまさをしっかりと受け止めていたように思います。
讃岐うどん巡りをするなら、いろいろな意味で絶対に訪れておくべき店です。
やまうちうどんについて
主なメニュー
小(1玉) 200円
大(2玉) 350円
特大(3玉)450円
げそ天 180円
地図
店舗概要
やまうちうどん
0877-77ー2916
営業時間 9:00~麺終了まで
定休日 木曜日
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